バナナのGI値と、血糖値との関係
国際GI表(2008年版)のバナナ(生)は、ブドウ糖を基準にした値で51±3です。同じ表の区分で、55以下が低GI、70以上が高GIなので、51は低GIの区分にあたります。
ただし、GIは食べる量を含まない数字です。中サイズ1本の炭水化物の量を掛けたGL(計算)は約8.5〜9.8。食事摂取基準の報告書は、炭水化物の重要な役割の1つに血糖上昇作用を挙げています。「血糖値が上がらない」とは言えません。
国際GI表に載っているバナナの数字
| 表の行 | GI(ブドウ糖を基準) | 表の注記 |
|---|---|---|
| Banana, raw(バナナ・生) | 51±3 | 入手できた全データの平均 |
| Plantain/green banana | 55±6 | 高炭水化物食品の欄の行 |
数字は、アトキンソンらが2008年12月に Diabetes Care に発表した「International Tables of Glycemic Index and Glycemic Load Values: 2008」(2,487件・205の研究)の表からです。論文は、ブドウ糖を基準にした尺度を最終的な報告に勧めています。低GIは55以下、高GIは70以上とされています。
2行目は、調理して食べるバナナ(プランテーン)や、緑色のバナナを指す表記です。日本で生で食べるバナナの熟す前の状態と同じとは、この表からは言えません。表の「バナナ・生」の行には、国や熟し具合の記載がありません。論文は、多くの食品が10人以下の被験者で1回しか測られておらず、注意が必要だとも書いています。
1本のGLと、糖質の数え方
GLは、論文によると、その量に含まれる利用可能炭水化物の量(g)にGIを掛けて、100で割った値です。日本食品標準成分表には、利用可能炭水化物の欄が3種類あり、どれを使うかで数字が違います。中サイズ1本(可食部約90g)で計算しました。
| 数え方 | 可食部100gあたり | 1本あたり(計算) | GL(GI 51で計算) |
|---|---|---|---|
| 利用可能炭水化物(質量計) | 18.5g | 約16.7g | 約8.5 |
| 利用可能炭水化物(単糖当量) | 19.4g | 約17.5g | 約8.9 |
| 差引き法による利用可能炭水化物 | 21.1g | 約19.0g | 約9.7 |
| 糖質の目安(炭水化物−食物繊維) | 21.4g | 約19.3g | 約9.8 |
成分表の炭水化物は22.5gです。食事摂取基準は、炭水化物から食物繊維を除いた部分を糖質と呼んでいます(129ページ)。成分表に「糖質」の欄はないので、4行目はその式で出した編集部の計算です。数え方で1本あたり約2.6gの差が出ます。表示を比べるときは、どの数え方かを確かめてください。
GIが低いことの読み方
GIは、食品を同じ基準で比べるための数字です。1本の量や、一緒に食べるもの、その人の体の状態で、実際の血糖値の動きは変わります。この面のGLも、論文の式に成分表の数字を入れた計算で、食べたあとの血糖値を表すものではありません。
熟し具合とGIの関係は、国際GI表の行には書かれていないので、ここでは書きません。熟した状態のバナナの糖度を測った研究は種類(品種)にあります。
血糖値の管理が必要な人へ
糖尿病などで食事の指示を受けている人、血糖値を指摘された人は、バナナを1日何本食べてよいかを、主治医や管理栄養士に直接聞いてください。1日の果物の量や、糖質をどう数えるかは、人によって指示が違います。この面の数字は、その相談の材料にしてください。1日の本数の考え方は1日に何本まで食べてよいか、1本のエネルギーはカロリーと糖質にあります。
よくある聞き方と答え
- GIが低いなら、たくさん食べても大丈夫ですか。
- そうとは言えません。GIは量を含まない数字で、量を含めたGLは、食べる炭水化物の量で変わります。食事摂取基準の報告書は、炭水化物の役割の1つに血糖上昇作用を挙げています。
- 熟したバナナと、青いバナナでGIは違いますか。
- 国際GI表の「バナナ・生」の行には熟し具合の記載がなく、熟し具合別の数字は確かめられませんでした。「Plantain/green banana」の行は55±6ですが、生食用の青いバナナと同じとは言えません。
- 成分表の糖質は、どの数字を使えばよいですか。
- 成分表に「糖質」の欄はありません。炭水化物から食物繊維を引いた値(21.4g)、差引き法の利用可能炭水化物(21.1g)などがあり、どれを使うかで100gあたり数gずれます。商品の表示と比べるときは、数え方をそろえてください。
出典(2026年11月2日確認)
- Atkinson FS, Foster-Powell K, Brand-Miller JC. International Tables of Glycemic Index and Glycemic Load Values: 2008. Diabetes Care 31(12):2281-2283(2008年12月)
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」食品成分データベース「バナナ 生」(食品番号07107)
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 炭水化物の項(129〜144ページ。糖質の定義129ページ・食物繊維の目標量の考え方と便秘の記述132〜137ページ・目標量の表144ページ)
数字は上の資料から写し、計算したものは本文に「計算」「目安」と書いています。資料の記載が変わったときは、確認日とあわせて書き直します。